目次
はじめに
J3リーグ第16節 2023年7月1日(土)@とうほう・みんなのスタジアム
前節のアスルクラロ沼津に敗戦して、連敗中の奈良クラブ。
アウェイ福島に乗り込んでの一戦。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、おたのしみいただけたら幸いです。
前節の振り返りはこちらから
スタメンおよびフォーメーション
奈良クラブ
奈良クラブのスタメンは前節から2人(嫁阪選手、可児選手)が入れ替わっている。
堀内選手が左CBに入り、可児選手がアンカーポジション。鈴木選手が右CBとなった。
そして注目は平松選手と髙橋選手がベンチ入りし、2人とも後半途中出場を果たした。
福島ユナイテッドFC
福島は、前節から4名(堂鼻選手、森選手、上畑選手、古林選手)が入れ替わっている。
試合結果
まず初めに、試合結果は
○ 5-0での勝利
となった。
【2023明治安田生命J3リーグ第16節】
— 奈良クラブ (@naraclub_info) July 1, 2023
⏰試合終了#奈良クラブ 5-0 #福島ユナイテッドFC
今節も応援をありがとうございました!
次節、ホームで勝利を。引き続き奈良クラブへの応援をよろしくお願いします。#naraclub #奈良一体 pic.twitter.com/pweQEJdpbR
奈良クラブはの順位は6位に上がった。
試合ハイライト(公式)
奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。
試合展開
前半総括
立ち上がりからいつもに増してポジションチェンジが多めで
中央の山本選手片岡選手はもちろん、浅川選手がサイドに流れて受けに降りてきたり
嫁阪選手と山本選手の内外が入れ替わったりと
左右に前に後ろにと流動的であった。
その影響もあって、
3列目から2列目のボールの出し入れや、2列目飛ばして1列目へなど
相手を動かす効果的なパス回しができていた。
また狭い局面を抜け出す細かいパス回しなどもできていて
奈良クラブの志向するパス回しの練度が確実に上がっていると感じる。
前半14分、エース浅川選手の得点。
相手選手に2度ほどリフレクションしたボールだったが、
鈴木選手が西田選手を狙ったミドルパスから右サイド裏を抜け出し
そのままグラウンダーのクロスからワンタッチで浅川選手のゴール。
クロスの待ち合わせ場所が完璧だった。
守備の面では、今日のラインはかなり高く設定されていた。
その分裏のスペースを使われてしまうのだが
奈良のDFラインは足も速いので個々で十分勝負できる。
ここはチームとしても勝負を覚悟している部分なので
何度も裏のスペースを狙われていたが、踏ん張って戦えていた。
鈴木選手も堀内選手も、それぞれ3回くらいチームを救うカバーリングを見せていた。
一方で、システム上のミスマッチである、サイドの人数では少し苦しんでいた。
相手のWBに対して、奈良のSBが食いつくと、福島としては狙い通りで、
2トップが2CBを引き出してその裏を使うといった、準備した崩し方をされていた。
また、サイドに対してコンパクトに守備陣系を取る奈良に対して、
福島のWBは確実に大外を取れるので、サイドチェンジは必ずフリーとなってしまう。
ただ、ここは優先順位の話なので、危険性の低いサイドは全体スライドでの対処で全然OKだ。
前半40分、浅川選手の追加点。
決して守備がハメられていたわけではないが、
片岡選手のプレスと、浅川選手の先読みでパスをインターセプトして
これまた簡単じゃないがキーパーの上を抜くループシュートを逆足で決め切った。
少し相手のコーナーキックが続いたりと、苦しい時間の後だったので
まさにチームを救う、流れを変えるエースの得点だった。
2点目の後は、少しミスからピンチを迎えることがあり
前半のクロージングはかなり重要なので、
さらに精度を上げて危なげなく終わらせられるようになって行って欲しい。
後半総括
後半開始から、守備では福島のWBには奈良のWGが対応するようになった。
奈良クラブらしいブロック作った硬い守備だ。
福島のWBへの守備がはっきりしたことで、
福島としてはWBへのパスを繋ぎにくくなった。
そうなると中央のパスを繋ぎたくなるのだが、ここは奈良のボランチが出てくる
そしてボランチが出たらWGが絞るというシステマチックに奈良クラブが対応する。
かなり硬いブロックとなっていた。
福島はこれを打開するために、2列目からの飛び出しや
FWのサイド流れでSB裏を狙うといった、長い距離を走るプレーが出ていたように思う。
後半5分、カウンターの応酬という様相。
今思うと、この時点から後半の試合展開が見え始めていたのかもしれない。
相手のカウンターを鈴木選手が止めて、奈良クラブは一気に右サイドへ展開。
右サイド西田選手から今度は左サイドへロングボー1本で通して嫁阪選手の折り返しに山本選手。サイドに振りながら、俊足の嫁阪選手も活かしつつ、素晴らしい得点だった。
後半7分、コーナーキックからヘディングシュートをアルナウ選手の右足一本でセービング。
ここで失点して1-2となっていたら流れが変わっていた。重要なシーンだったと思う。
後半12分、立て続けに相手のビッグチャンスだったが、ここもアルナウ選手のビッグセーブ。
鈴木選手も体を張っていたので、ニア側は打ち抜けなかったように思う。
ファー側へのシュートだったこともありアルナウ選手の長い手が届いた。
先ほども書いたが、ここで1-2になっていたら違う試合展開になったと思う。
後半13分、西田選手のゴラッソ。
これはもう、ただただ西田選手が素晴らしいゴール。
セカンドボールがまだバウンドしている最中に、味方に収まると予測し走り出す。
そこへ可児選手から縦パス一本で、相手と2対2(3)の展開。
中央浅川選手のケアで相手ディフェンスはフォローに行けず、相手左SBと1対1。
相手に距離を詰めさせない隙のないボールタッチで運び、
一瞬ステップを変えて縦へ加速し、ゴールニアハイを撃ち抜くゴラッソ。
貴重な貴重な3点目となった。
後半27分、セットプレーのクリアボールから右サイド西田選手へ
相手選手2人に囲まれるも取られず縦に突破し、
森選手へクロスを上げ切るという素晴らしいプレー。
キレッキレの個人技、コンディションの高さが伺える。
後半33分、相手守備が前がかりになってフリーだった西田選手へ
アルナウ選手からロングボール1本。そして西田選手から絶妙なクロスに最後浅川選手だったが、ここは惜しくもゴール右へ。惜しくもハットトリックを逃してしまったシーンだった。
後半34分、左サイド突破した森選手からのクロスに中島選手のゴール。
完璧なボールで、中島選手の奈良クラブ初ゴールをお膳立て。
中央ニアに西田選手、ファーに浅川選手が待ち受けていた中で
ゴールに向かって勢いを持って飛び込んでくる形で中島選手が決め切った。
ゴール後の中島選手の笑顔から、一つ結果が出たことに対する安堵感が伺えた。
ここからまたバリバリ活躍して行って欲しい。
後半37分、平松選手のキャリア初ゴール。
自陣深い位置からスプリントで最前線まで駆け上がって、
FW顔負けのゴール前ワンタッチゴール。とても気持ちが入っていた。
このリプレイがもし見れたら深い位置からのスプリントをぜひ見て欲しい。
また、この時間帯に、加藤選手の持ち上がり、片岡選手のランニングからの折り返し、
フル出場の選手がサボらず攻撃参加してかなり厚みのあるできていることもゴールにつながった要因だと思う。
そして後半40分に髙橋選手がJリーグデビュー。
堀内選手が下がったので片岡選手がアンカーの位置。片岡選手は本当に万能プレーヤーですね。
残り時間はわずかだったが、ボールを持った時の独特のリズムのドリブルはやはり彼の特徴だ。
ここから出場時間を増やしてもっとプレーしているところを見せてほしい。
レンタルの選手だが、奈良クラブが大切に育てたい選手の1人だ。
試合はクリーンシートで終了。
守備も奮闘を見せた試合トータルで素晴らしい一戦になった。
印象に残った選手
西田恵選手
直近数試合は1対1に磨きがかかっている。
良い状況でボールが渡った時はもちろんのこと
この日は、相手との間合いが狭い状況や数的不利でボールが渡っても、
1人で完全に打開してしまうプレーを見せていた。
元々左サイドを主戦場としていた選手だったが、
右サイドで輝いていてこの日のゴールシーンも左足での縦突破から右足シュートは綺麗だった。
今シーズン2点目で、シーズン2得点はキャリアハイ
年度 | 所属クラブ | リーグ戦出場 | 得点 |
2020 | 金沢 | 9 | 0 |
2021 | 岩手 | 20 | 1 |
2022 | 宮崎 | 21 | 0 |
2023 | 奈良 | 16(※) | 2 |
そして、小柄だがフィジカル負けもしない。
かなりボディバランスが良く、ボールをおさめられるのもありがたいポイント。
奈良クラブでのシーズン開幕当初に比べて
コンディションが確実に上がってきている。
西田選手はまだまだ若い、ここからさらに成長して誰も止められないWGになって行って欲しい。
右サイド西田選手、左サイド嫁阪選手、という両翼がJリーグで名を馳せるのもそう遠くないかもしれない。
順位推移
今節の勝利で奈良クラブは8位に順位を上げた。
上位陣が引き分け含めて勝ち点を手堅く伸ばしたため、
順位は一つしか上がらなかったが、勝ち点は詰まって4位までは射程圏内。
順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。
まとめ
奈良クラブのJ3第16節、福島ユナイテッドFCとの試合について振り返りを行った。
勝利から遠ざかっていた中で、渾身の5-0で勝利。
嫌な流れを一気に吹き飛ばす勝利になったと思う。
この流れで次節上位対決のFC岐阜との一戦でも勝利を!
バモス!奈良クラブ!
コメントを残す