【左サイドの攻防】奈良クラブ V.S. テゲバジャーロ宮崎(J3リーグ第29節)

第29節 奈良クラブ対テゲバジャーロ宮崎 振り返り

左サイドの攻防

J3リーグ第29節 2023年10月1日(日)@ユニリーバスタジアム新富

琉球に続き、宮崎も監督交代直後で難しさがあったが
相手のスタイルがわからなくても、
自分たちのスタイルを磨いて攻撃面で違いを見せてくれた。

この日は特に奈良の左サイド、宮崎の右サイドで
見応えのある攻防戦が行われていた。
そんな試合を振り返りたいと思う。

起きた現象は1つでも、その捉え方は複数存在する。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、お楽しみいただけたら幸いです。

前節の振り返りはこちらから。

J3リーグ第28節「奈良クラブ vs FC琉球」振り返り

スタメンおよびフォーメーション

第29節 奈良クラブ対テゲバジャーロ宮崎 スタメンおよびフォーメーション

奈良クラブ

奈良クラブのスタメンは前節から1人(山本選手)変更。
そして奈良クラブに復帰した森田選手が後半途中出場!

テゲバジャーロ宮崎

宮崎は前節から6人(植田選手、青山選手、眞鍋選手、北村選手、東出選手、青戸選手)が入れ替わっている。

  • GK:植田 峻佑(No.99)
  • DF:青山 生(No.2)、代 健司(No.3)、眞鍋 旭輝(No.28)、北村 椋太(No.5)
  • MF:江口 稜馬(No.14)、田中 純平(No.22)、北村 知也(No.13)、東出 壮太(No.8)、永田 一真(No.80)
  • FW:青戸 翔(No.7)
  • 交代:奥田 裕貴(No.37)、石津 大介(No.16)、山崎 亮平(No.18)、松本 幹太(No.20)、南野 遥海(No.42)

試合結果

まず初めに、試合結果は

  1-0 の勝利

となった。

試合ハイライト(公式)

奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。

試合展開

要点
  1. 宮崎の右SBの攻撃参加
  2. 442ブロックの中間ポジション
  3. 浅川選手の試合への入り方(没入)
  4. ゴールシーンは左サイドから

ポイント① 宮崎の右SBの攻撃参加

宮崎の右SB青山選手は攻撃時ものすごく高いポジションを取る。
そして、奈良クラブのDFラインに対して、
宮崎は、SH、FW、FW、SH、SBの5人で並ぶ超攻撃的布陣となる。

優先度の高い中央を閉めるのでどうしても加藤選手は内側にポジションを取る。
そこで宮崎の右SBの青山選手がフリーでボールを受けてクロスをあげる。
と言うシーンが、この試合3回ほど見られた。

ただ、逆を言えば、奈良は中→外の優先順位は間違えていない
中央を通されずに、外へ通されているので、結果としてピンチを小さく抑えられていた。

これに対して、奈良は浅川選手や桑島選手がDFラインまで戻って対応するよう修正していたが
奈良のストロングである浅川選手を押し下げる意図も宮崎にはあったのかもしれない。

ポイント② 442ブロックの中間ポジション

相手チームが442ブロックの場合、奈良クラブは徹底して相手4選手で構成される四角形のブロックの中央でボールを受ける。
具体的には宮崎のSH、ボランチ、CB、SBの4人で作られる四角形のブロックの中心にIHの山本選手や、中島選手、WGの桑島選手などが入って受ける。

この日は、左サイドが特にこの受け方をうまく活用できていて
鈴木選手→山本選手(★)→加藤選手や、鈴木選手→中島選手(★)→加藤選手といった
パスが効果的に使えていた。(★がボックス中央でのパス受け)

左サイドはこの動きでパス交換できていたので
加藤選手が前を向いてボールを受けられて効果的なドリブル突破が見られた。

ポイント③ 浅川選手の試合への入り方(没入)

この日の浅川選手の試合への入り方(没入具合)は素晴らしかった。
2点とても良いシーンがあったので紹介する。

一つ目は、前半の44分のクロスのこぼれ球に対する反応で
他の選手がフィールドプレイヤー全員の足が止まっている中
1人だけ反応してGKと接触したがシュートまで打ち込む意気込みが見れたシーン。

キーパーチャージぎりぎりのシーンだが決して悪質なプレーではなく
貪欲にゴールを狙うこれぞストライカーというプレーであった。

もう一つは、後半60分の右サイド深い位置でのボール回収したシーン。
寺村選手と相手選手が接触し転倒した後、レフェリーの笛はならず
少しボールの蹴り合いになっていたところで、

そのプレーに関わっていた3選手がセルフジャッジでプレーを止める中
浅川選手1人だけ集中を切らさずにボールを回収してプレーを続け
チャンスシーンに繋げていた。

1人だけ没入という表現が正しいほどに試合に入り込んでいて
誰よりも足を止めずにプレーし続けていたのが本当に素晴らしかった。

ポイント④ ゴールシーンは左サイドから

ゴールシーンの前に桑島選手に代わって森選手が投入され
左WGの位置に入っていた。

ここまでで述べたように
宮崎は右SBが高い位置で積極的な攻撃参加をする一方で
奈良も左サイドをうまく崩して加藤選手のドリブル突破などもあり
両チームの激しい攻防が繰り広げられていた。

ゴールシーンはそんな左サイドからだった。

岡田選手から酒井選手へのロングボールをうまく収めた酒井選手。
宮崎の右SHが最前線、右SBがそれに連動して中盤をケアしていたことで
本来右SBがいるはずの位置が空き、酒井選手から森選手がそのスペースで受ける。
この時点で状況は3対3。

ファーサイドで浅川選手がDFラインを押し下げるランニング。
森選手へは宮崎のCB代選手が当たっているので、もう1人のCB眞鍋選手がそのカバーリングのポジションを取る。

上記の通り、CBはどちらもその場を離れにくい状況のため
ぽっかり空くのは、DFラインの前のスペース。

森選手からマイナス方向へのクロスが入り
ダイレクトで合わせた酒井選手のシュートはクロスバーに当たりながらもゴールに吸い込まれる。
激しい左サイドの攻防戦を制したのは奈良クラブだった。

順位推移

奈良クラブ 第29節終了時点のチーム順位

今節の勝利で奈良クラブは6位に浮上

順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。

2023年シーズンをデータで見る

まとめ

奈良クラブのJ3第29節、テゲバジャーロ宮崎との試合について振り返りを行った。

奈良にとっての左サイドでの攻防がすごく見応えある試合であった。
得点は1点だったが、それ以外でもゴールに迫るシーンが多く見られて
複数得点できてもおかしくはなかった。

奈良に復帰した森田選手もその非凡なボール奪取能力を試合で見せてくれた。
今後さらに試合に絡む活躍を期待している。

次節はYSCC横浜戦。連勝するぞ!

バモス!奈良クラブ!

奈良クラブ2023年シーズン振り返り記事まとめ

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つとむをつむ
奈良生まれ奈良育ちで県外就職した元奈良県民 奈良でサッカーをしていた当時 奈良にJリーグチームが出来るなんて思ってもいなかった 県外に出てしまったが 奈良県初のJリーグチーム「奈良クラブ」を応援したい そんな思いで外からでもわかる奈良クラブと奈良の魅力を発信するブログを始めて今に至る。