【闘志躍動】奈良クラブ V.S. FC今治(J3リーグ第26節)

第26節 奈良クラブ対FC今治 振り返り

闘志躍動

J3リーグ第26節 2023年9月9日(土)@ロートフィールド奈良

今節は一言で言うと「闘志躍動」
全選手が闘志を燃やし躍動して、FC今治と対等に殴り合うサッカーができていた。

FC今治にはスペシャルな選手もいる中で
奈良の選手たちは個々の局面でも負けていなかった。

収穫多き一戦について振り返る。

起きた現象は1つでも、その捉え方は複数存在する。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、お楽しみいただけたら幸いです。

前節の振り返りはこちらから。

J3リーグ第25節「奈良クラブ対アスルクラロ沼津」振り返り

スタメンおよびフォーメーション

第26節 奈良クラブ対FC今治 スタメンおよびフォーメーション

奈良クラブ

奈良クラブのスタメンは前節から1人(金子選手)変更。

FC今治

今治も前節から1人(上原選手)が入れ替わっている。

  • GK:セランテス(No.31)
  • DF:山田 貴文(No.7)、照山 颯人(No.5)、冨田 康平(No.2)、近藤 高虎(No.9)
  • MF:三門 雄大(No.50)、新井 光(No.18)、土肥 航大(No.33)、上原 拓郎(No.22)
  • FW:マルクス ヴィニシウス(No.10)、千葉 寛汰(No.30)
  • 交代:櫻内 渚(No.3)、武井 成豪(No.15)、楠美 圭史(No.25)、ラルフ セウントイェンス(No.11)、ヴィニシウス アラウージョ(No.39)

試合結果

まず初めに、試合結果は

  1-1 の引き分け

となった。

試合ハイライト(公式)

奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。

試合展開

要点
  1. 加藤とヴィニシウスの1対1
  2. 生駒選手の右サイド攻略(同点弾も右サイド)
  3. 脅威を感じたラストプレー

ポイント① 加藤とヴィニシウスの1対1

守備時のオンザボール(ヴィニシウス選手にボールが入った状況)だけ28回
加藤選手とヴィニシウス選手はマッチアップを繰り広げていた

失点シーンは28分の1であり、それ以外の27回はヴィニシウス選手に仕事をさせなかった。
ヴィニシウス選手は間違いなくJ3トップの選手であり、その選手にここまでやれたのは加藤選手の実力がJ3トップクラスであることを照明したのではないだろうか。

特に今治は深さを作って(ピッチを縦に長く使って)ロングボールを最前線に供給してくる。
広げられた陣形では味方のプレスバックも期待できないため、完全に1対1を作られることもしばしばあった。

この試合最も熱く闘志を剥き出してバトルをしていたのは間違いなく加藤選手とヴィニシウス選手のバトルだろう。

失点シーンについては、
新井選手が降りてきて、鈴木選手(左CB)を釣り出す。
ヴィニシウス選手へのロングボールはファーストタッチで加藤選手を振り切る。
鈴木選手(左CB)がいない状況で右CBの小谷選手がカバーに入る。
空いた中央のスペースで千葉選手が合わせてゴール。

これも今治の攻撃パターンの一つだと思う。
最終ラインを縦に分断してカバーを減らした状態で1対1の勝負。
悔しいがこの一本で仕事されてしまうのだから、
ヴィニシウス選手はスペシャルだと言わざるを得ない。

ポイント② 生駒選手の右サイド攻略(同点弾も右サイド)

今治はコンパクトな442ブロックを組んでいる。
守備陣形は奈良と同じであり、SHはかなり内側まで絞り込む。

この陣形において最もスペースが生まれるのは、ボールと反対サイドにいるSB
つまり加藤選手と生駒選手のポジションがそれに当たる。

加藤選手はヴィニシウス選手とのマッチアップが続くため
穴を作らない意味でもバランスを取って攻撃参加は控えめだったが
反対に生駒選手は積極的な攻撃参加を見せていた。

奈良クラブは中央を経由して逆サイドへ展開するプレーが多く、
完全にフリーで生駒選手にボールが供給される。
そして右サイドからのクロスからチャンスメイクをするシーンが多かった。

そしてこの日の生駒選手はクロスだけではなかった。
右サイド低い位置でボールを受けて相手2選手の独力で抜き去り
クロスボールを供給、クロスは桑島選手が落として中島選手が強烈ミドルを放った。

生駒選手は決して攻撃的な選手ではないが、
相手選手を薙ぎ倒しながら進む姿が強烈に印象に残っている。

そして同点のシーン

生駒選手の左足のクロスを中島選手が落として
相手GKが弾いたところを浅川選手が詰めてゴール。

利き足ではない左で正確なクロスだが
左巻きのボールなのでキーパーが飛び出しづらく
ファーポスト付近で落ちてくる最高のボールだった。

左足のクロスは都並選手がよく使っていて
右サイドの選手が右足(相手選手に近い方の足)でクロスをあげるのではなく
左足(相手選手から遠い方の足)でクロスをあげるので
相手選手にクロスを止められる確率が低く、クロスを上げ切れる。

中島選手もここぞと言うシーンでゴール前に入ってきているし
身長も高いので折り返しのヘディングはほぼ完璧。
こぼれ球の位置にはストライカーの嗅覚で流石の浅川選手。
それぞれの良さが詰まったゴールだった。

ポイント③ 脅威を感じたラストプレー

奈良クラブの同点ゴール前から、奈良クラブの押せ押せムードが出ていた。
ホームの影響もあり、スタジアムの雰囲気も良い影響を与えていたと思う。

ATに入っても立て続けにチャンスシーンを作り続けてゴールに迫る奈良クラブ。
しかし決めきれないでいると、ラストワンプレーで脅威的なプレーを見せられた。

ヴィニシウス アラウージョ選手が今治陣の中央でクリアボールを受けると
そこから縦にものすごいパワーで推進。
イエローカード覚悟のファウルでも全く止められず
ラストパスを供給されて千葉選手のシュート。
岡田選手のセーブがなければ負けていたかもしれない。

このヴィニシウス アラウージョ選手のプレーには震え上がった。
ラストワンプレーであることを理解して、ファウルされても止まってはいけない
この1回のチャンスを是が非でも掴み取る気持ち感じられた。

最後の最後まで両者闘志を燃やし続けて戦った一戦であり
両チーム選手が躍動してサッカーとしてとても楽しい試合だったと思う。

順位推移

奈良クラブ 第26節終了時点のチーム順位

今節の勝利で奈良クラブは5位を維持
激戦の2位争いに奈良も入っている。

J3 26節終了時点の勝ち点差

順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。

2023年シーズンをデータで見る

まとめ

奈良クラブのJ3第26節、FC今治との試合について振り返りを行った。

連勝はストップしたが、
強敵のFC今治と対等に殴り合うことができた。
選手個人個人がJ3のトップと十分にやり合えることが証明された一戦だと思う。

次節はアウェイの八戸戦。

バモス!奈良クラブ!

奈良クラブ2023年シーズン振り返り記事まとめ

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つとむをつむ
奈良生まれ奈良育ちで県外就職した元奈良県民 奈良でサッカーをしていた当時 奈良にJリーグチームが出来るなんて思ってもいなかった 県外に出てしまったが 奈良県初のJリーグチーム「奈良クラブ」を応援したい そんな思いで外からでもわかる奈良クラブと奈良の魅力を発信するブログを始めて今に至る。