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今節を一言で言うと:「前後半で一変」
J3リーグ第20節 2023年7月29日(土)@いわぎんスタジアム
今節を一言で言うと「前後半で一変」
前半は奈良クラブが試合を支配し、後半はいわてグルージャ盛岡が試合を支配した。
後半戦最初の一戦、斯く戦ったのか振り返るのでぜひ見ていって欲しい。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、おたのしみいただけたら幸いです。
前節の振り返りはこちらから。
スタメンおよびフォーメーション
奈良クラブ
奈良クラブのスタメンは前節から変更なし。
ちなみに、前半戦の第7節での対戦時には
可児選手と酒井選手がスタメンだった。
いわてグルージャ盛岡
いわては前節から1人(加賀美選手)が入れ替わっている。
こちらも同様に、前半戦の第7節での対戦時には
クリスティアーノ選手、桐選手、弓削選手がスタメンだった。
試合結果
まず初めに、試合結果は
1-1 の引き分け
となった。
【2023明治安田生命J3リーグ第20節】
— 奈良クラブ (@naraclub_info) July 29, 2023
⏰試合終了#奈良クラブ 1-1 #いわてグルージャ盛岡#naraclub #奈良一体 pic.twitter.com/PIw8JpI81E
奈良クラブはの順位は8位のまま となった
試合ハイライト(公式)
奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。
試合展開
前半総括
- リズムを作り出すショートパスでの組み立て(8分、12分、18分、他)
- 完璧なフリックからの先制ゴール(12分)
注目シーン① リズムを作り出すショートパスでの組み立て
サッカーを解説する上で、よくダイレクトパスが繋がるとリズムが生まれると言う表現をする。
ワンタッチやツータッチでパスが繋がると小気味良く見えることからそう言った表現が使われるのだが、そのワンタッチ、ツータッチでパスを回すためには、認知と判断の繰り返しが必要となる。
奈良クラブの中盤、堀内選手、中島選手、山本選手、それぞれに注目してみると
- 堀内選手
- 18分のシーン
- 加藤選手からの横パスを受けて反転し、右サイド山本選手に出した後の動きが注目ポイント
- 横関係のままだと都並選手へのパスコースがない中で、一度開いて受け直すことでパスコースを作り出す。
- 中島選手
- 8分のシーン
- 嫁阪選手→加藤選手→堀内選手と繋いで、堀内選手からパスを受ける位置に注目
- 相手選手の前で、かつスペースがあるわけでも無いのだが、相手選手の間(ゲート)を通せば山本選手にパスが通る絶妙なポジショニングにいる。
- 逆に言うとパスが通せる位置でボールを受けた。受ける前からダイレクトでパスを出すと決めていたのだと思う。
- 山本選手
- 12分のシーン(言わずもがな得点シーンのフリック)
- 伊勢選手からの縦パスを受ける前に手でここに来いとジェスチャーしていて準備はOK
- ボールが出るその瞬間に首を振って相手DFの田代選手が食いついてきているかを確認。
- 田代選手が食いついてきた=田代選手がいたスペースが開く → フリックで嫁阪選手へ。
と言ったように
奈良クラブの中盤を支える選手達は、どこで受けると次のパスに繋がるのかを考えて動いているように思う。
他にも27分、35分、36分、38分など、前半はリズミカルなパス交換が見られるのでかなり楽しい試合展開だった。
個人的には中島選手の空間把握能力はかなり高いように感じている。
フリーランニング含めて試合通して彼だけを追いかけてみると色々発見がある。
注目シーン② 完璧なフリックから先制ゴール
12分のシーン。嫁阪選手の得点シーン。
- 針の穴を通す伊勢選手の縦パス
- 正直中盤は密集していて、あの瞬間あのコースのみが空いていたように見える。
- 山本選手の完璧なフリック
- 相手CBの田代選手を食いつかせてからのワンタッチでのフリックは完璧
- 食いついていないと効果は薄いがちゃんと首振って食いつきが見えている
得点シーンは、説明不要なほど綺麗なパス交換だった。
ただし、1点相手にも隙があったように思っている。
それは、相手右SBの石田選手が加藤選手を気にして外側にポジショニングしていたこと。
もし石田選手が内側にポジションをとっていたら、あそこまでフリーで受けられなかったように思う。
後半総括
- シンプルなロングボール1本からの失点
- スイッチが入った岩手の前線プレス
- チームを救う加藤選手の神ブロック
前半は奈良クラブペースで試合が進んでいたが、後半は逆にずっと岩手ペースで試合が進んだ。
特に60分の選手交代を皮切りに全く違う展開となった。
注目シーン③ シンプルなロングボール1本からの失点
この試合、岩手は再三中盤を飛ばしたロングボールを前線に供給していた。
失点シーンはSB裏のスペースへのロングボールだった。
オタボーケネス選手のファーストタッチで完全に逆を取られた。
その結果体をボールと相手選手の間に入れられず足でクリアに行ってしまった。
そして影のアシストがドウグラスオリヴェイラ選手。
オタボーケネス選手が裏をとるのとは反対に降りてきてボールを受けようとしている。
この動きで右CBの伊勢選手が前がかりになっていて、
結果的に都並選手が振り切られたところにカバーに行くことができなかった。
失点自体はシンプルだが、いくつか防げた可能性も感じるシーンだった。
(と、言うは易しですが、難しいシーンでしたね。)
注目シーン④ スイッチが入った岩手の前線プレス
前半はほとんど前からプレスにこなかった岩手だったが、
60分の選手交代を皮切りに前線からの圧力を強めた。
結果的に奈良クラブはロングボールが増えていて
ロングボールが収まらず岩手ボールで守備に走らされる
その結果、体力的にもキツくなり、自陣でボールを保持した時でも
適切にポジショニングが取れず、そこに前線プレスを受けてボールロスト
そしてまた守備に走らされる。という完全に悪循環に陥ってしまった。
苦しい時間こそ、ボールを保持して相手を走らせることが重要。
夏場の暑い時期は体力を消耗しているのが目に見えてわかるので、
出来る限り守備に走らされる時間は減らしたい。
注目シーン⑥ チームを救う加藤選手の神ブロック
92分。
試合も最終盤のこのタイミングで見せた加藤選手の神ブロック。
これが決まっていたらと思うとゾッとする。
チームとしても連敗していた中で、この試合がもし負けていたら3連敗となっていた。
3連敗か、連敗ストップ(引き分け)か、結果を大きく変える神ブロックだった。
印象に残った選手
山本宗太朗選手
得点に繋がったアシストはもちろん素晴らしかったのだが、
それ以外にも、この試合3本のシュートを放った山本選手。
シュートの積極性がすごく感じられて個人的に一番印象に残った。
チーム状況が連敗中ということもあり、
自分がゴールを取ると言う意識を強く持って試合に臨んだのだと思う。
普段は柔らかいパスが持ち味のパサーな印象だが
積極的なシュートからゴールも奪えれば相手チームにとってかなり嫌な選手になる。
奈良クラブの10番 山本選手。更なる飛躍に期待。
順位推移
今節の敗戦で奈良クラブは8位のまま。
上位争いから離れてしまい、中位に位置している。
順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。
まとめ
奈良クラブのJ3第20節、いわてグルージャ盛岡との試合について振り返りを行った。
一言で言うと「前後半で一変」
前半が良いサッカーできていただけに、後半がかなり悔やまれる。
相手の時間になった中で、再度自分たちに流れを持ち込むことができるようになればもう一段上へ行けるはず。
連敗はSTOPしたのでポジティブに捉えて、少しずつ成長していければと思う。
次節はホームでギラヴァンツ北九州との一戦。
そろそろ勝利が欲しいぞ!
バモス!奈良クラブ!