「奈良クラブ V.S. 鹿児島ユナイテッドFC」J3リーグ第12節を振り返る (試合結果も含みます)

はじめに

J3リーグ第12節
前節に連敗をストップしてホームに帰ってきた奈良クラブ。
今節は首位の鹿児島ユナイテッドFCをロートフィールド奈良に迎える。

好調相手にどのような戦いを見せたのか振り返っていきたい。

あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、おたのしみいただけたら幸いです。

スタメンおよびフォーメーション

奈良クラブ

奈良クラブのスタメンは前節から3人(山本選手、寺島選手、都並選手)が入れ替わっている。
今節は累積警告で加藤選手がベンチ外となっている。

  • GK:アルナウ(No.31)
  • DF:都並優太(No.13)、鈴木大誠(No.5)、伊勢渉(No.4)、寺島はるひ(No.6)
  • MF:堀内颯人(No.8)、可児壮隆(No.17)、山本宗太朗(No.10)、嫁阪翔太(No.39)
  • FW:浅川隼人(No.29)、酒井達磨(No.19)
  • 交代:寺村浩平(No.33)、片岡爽(No.20)、西田恵(No.16)、森俊介(No.18)

鹿児島ユナイテッドFC

鹿児島ユナイテッドFCは、前節から1名(戸根選手)が入れ替わっている。

  • GK:松山健太(No.13)
  • DF:野嶽寛也(No.14)、広瀬健太(No.4)、戸根一誓(No.28)、渡邉英祐(No.6)
  • MF:木村祐志(No.30)、中原秀人(No.35)、端戸仁(No.25)
  • FW:五領淳樹(No.11)、藤本憲明(No.24)、福田望久斗(No.18)
  • 交代:圓道将良(No.20)、山口卓己(No.27)、山本駿亮(No.19)、武星弥(No.46)、有田光希(No.9)

試合結果

まず初めに、試合結果は
○0-0での引き分け
となった。

J3では反則級の選手が揃う鹿児島相手になんとか引き分けに持ち込んだという結果。
引き分けが続くが、奈良クラブはの順位は4位のままとなった。

試合ハイライト(公式)

奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。

試合展開

前半総括

立ち上がりから鹿児島ペースで試合が進み、奈良クラブ側のハーフコートに押し込まれる展開。
クリアボールも拾われるため、かなり苦しい展開だったが、決定機は作らせない集中した守備で防ぐ。

奈良はゴールキックから繋ぐ意識が強く、ビルドアップは可児選手が降りてきて、2ボランチの形で組み立てる。

前半14分、寺島選手の裏のスペースを使ったロングボール一本で一気にシュートまで持ち込まれるがアルナウ選手のセーブでなんとか防ぐ。

前半19分、セットプレーのチャンスで、寺島選手のボールから都並選手のヘディングがポスト直撃する惜しいシーンを作る。
このセットプレーに至るまでのシーンも、奈良クラブがボールを保持し良い形で嫁阪選手にボールを配給したところから獲得したもの。

前半30分頃は、奈良クラブが相手を押し込み何度もシュートを打つシーンが見られた。
特に奈良の左サイド、鹿児島の右サイド奥をサイドチェンジなどで積極的に使っていて、
この試合でも奈良クラブのストロングポイントとして機能していた。
この背景には前半早い時間に鹿児島の右SBの野嶽選手がイエローカードを貰っていることも影響していると思われる。

総じて前半立ち上がりこそ押し込まれる時間が多かったが
それ以降はお互いに鹿児島相手に対等に渡り合うことができていた。
守備の面で、奈良クラブはWGの嫁阪選手と浅川選手の献身性が光っていた。
中盤がひっくり返されて、相手が中盤をフリーで持ち上がれるシーンでは
左サイドの嫁阪選手が中央へ絞りそのまま右サイドまで守備に回る形も見られた。
同様に浅川選手も右サイド深い位置まで守備に戻り、クロス対応では中央まで絞っていた。

後半総括

後半は全般的に自陣でのミスから相手にチャンスをつくられるシーンが多く、
アルナウ選手のビッグセーブで助けられた、という印象。
相手に作られたチャンスの半分は自らのミスで生まれていたと思う。

鹿児島は左SBが積極的に攻撃参加してきて、65分ほどはシュートを放つシーンもあった。
それを受ける形となる奈良クラブの右サイドは浅川選手がディフェンスに回らざるを得ないので
ボールを奪っても浅川選手が低い位置からスタートとなる。
サイドで浅川選手を起用する場合のデメリットだ。
(というより、鹿児島の渡邉選手はSBなのに足元の技術うますぎませんかね。)

後半途中で片岡選手が入ると、奈良クラブの中盤が活性化する。
片岡選手が縦パスを引き出す動きをすることで、相手陣へ押し込むことができていた。
後半開始から(自分たちのミスもあり)ずっと鹿児島ペースだったが、70分台は完全に奈良クラブの時間だった。

76分セカンドボールを拾った嫁阪選手がドリブルからカットインしてシュート。
嫁阪選手は鹿児島相手でも個人でストロングポイントとなれる特別な選手。
チーム戦術として嫁阪選手にスペースを与えた状態でボールを配給できると、よりチャンスができるのかなと思う。

その後は、ゴールネットを揺らされるが直前のファウルでノーゴールとなったシーンや
後半ATの決定機などをなんとか耐え切って、スコアレスドローで試合終了。

リアルタイムで試合を見た時の感想は、
「鹿児島にボコボコにやられたな、決定機何個作られたんだ」だったが
見直してみると、作られた決定機の半分はミスから生まれていたので
実はそこそこやり合えていたんだなと感想が上書きされた。

とはいえ、相手の方が上手(うわて)だったという印象は変わらない。
J2昇格を目指すのであれば、鹿児島のような強敵を薙ぎ倒せる実力をつけなければいけない。

印象に残った選手

可児選手

この日の可児選手のパフォーマンスは目を見張るものがあった。
マルセイユルーレットを見せたシーンでは、ロートフィールドにいた観客が沸いていた。

相手のボールをインターセプトするシーンも多く
前向きのプレススピードも良い。
ビルドアップの貢献はもちろん素晴らしいし
相手SB裏を狙った2列目からの飛び出しも見られて
攻守どちらにも輝いていた。

長短のパスを使いこなし、ゲームを組み立てる可児選手。
また次の試合でも素晴らしいパフォーマンスを期待している。

入場者数

今節の入場者数は1722人となった。

この日は、ヴィッセル神戸と川崎フロンターレの試合が中止となり、
神戸サポさんや川崎サポさんへ、積極的な呼びかけが行われていた。

特に、鹿児島所属の藤本選手が元神戸の選手というのもあり
SNSで発信されていて、鹿児島のゴール裏にはクリムゾンレッドのユニフォームを着たサポーターが多くきていたらしい。

また、可児選手が元川崎の選手ということで
川崎サポさんの中には可児選手を見にきてくださった方もいるとのこと。

J1カテゴリのサポさんに、奈良県にJリーグのクラブがあるということを宣伝する機会にもなるので、こういった呼びかけはとてもありがたい。

一方で、前日の大雨の影響で
鹿児島サポさんが奈良に来れなくなったケースもあったらしい。
(横断幕も届かず、急遽手書きでの横断幕作成をされたとのこと、素晴らしい機転)

そういった色んなことがあった中での入場者数となっている。

順位推移

今節も引き分けたものの4位をキープする形となった。
一方で対戦相手の鹿児島は一つ順位を下げて2位となった。

2023年シーズンをデータで見る

まとめ

奈良クラブのJ3第12節、鹿児島ユナイテッドFCとの試合について振り返りを行った。

強敵鹿児島相手に引いて守るわけではなく、ボールを保持して主導権を握ろうと積極的に戦った上で、失点0で抑えたことは十分に奈良の守備力を見せられたのではないだろうか。
ただ、自陣でのミスは多いため、一つ一つのクオリティは上げていきたいところだ。

次節は、アウェイでギラヴァンツ北九州との一戦。
順位こそ下位の相手だが、J2経験チームであり、個々の能力は間違いなく高い。
気を引き締めて勝利を掴もう!

バモス!奈良クラブ!

奈良クラブ2023年シーズン振り返り記事まとめ

コメントを残す

CAPTCHA


ABOUT US
つとむをつむ
奈良生まれ奈良育ちで県外就職した元奈良県民 奈良でサッカーをしていた当時 奈良にJリーグチームが出来るなんて思ってもいなかった 県外に出てしまったが 奈良県初のJリーグチーム「奈良クラブ」を応援したい そんな思いで外からでもわかる奈良クラブと奈良の魅力を発信するブログを始めて今に至る。