「奈良クラブ V.S. ガイナーレ鳥取」J3リーグ第8節を振り返る (試合結果も含みます)

はじめに

J3リーグ第8節
2週間ぶりの試合であり、GWの3連戦の初戦でもあるガイナーレ鳥取戦
試合前時点で奈良クラブは4位、ガイナーレ鳥取は9位のトップハーフの対決。
アウェイに乗り込んだ奈良クラブがどのような試合を見せたのか振り返っていきたい。

あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、おたのしみいただけたら幸いです。

奈良クラブ vs ガイナーレ鳥取 1点目のシーン

スタメンおよびフォーメーション

奈良クラブ

奈良クラブのスタメンは前節から1人(寺村選手が)入れ替わっている

  • GK:岡田慎司(No.15)
  • DF:寺村浩平(No.33)、鈴木大誠(No.5)、伊勢渉(No.4)、加藤徹也(No.11)
  • MF:堀内颯人(No.8)、可児壮隆(No.17)、山本宗太朗(No.10)、嫁阪翔太(No.39)
  • FW:浅川隼人(No.29)、酒井達磨(No.19)
  • 交代:片岡爽(No.20)、中島賢星(No.14)、寺島はるひ(No.6)、西田恵(No.16)、都並優太(No.13)

この試合の奈良クラブは後半スタートから2枚選手交代をしており、5枚の交代枠を全て使いきっている。

ガイナーレ鳥取

鳥取のスタメンは前節から3人(田中選手、小澤選手、牛之濱選手が)入れ替わっている
システムは4-4-2。

  • GK:糸原紘史郎(No.1)
  • DF:田中恵太(No.8)、増谷幸祐(No.3)、鈴木順也(No.4)、文仁柱(No.6)
  • MF:普光院誠(No.14)、牛之濵拓(No.32)、世瀬啓人(No.10)、東條敦輝(No.17)、小澤秀充(No.20)
  • FW:澤上竜二(No.9)
  • 交代:馬場琢未(No.30)、長谷川アーリアジャスール(No.33)、富樫佑太(No.18)

長谷川アーリアジャスール選手が加入後初出場となっている。

試合結果

まず初めに、試合結果は
○2-0での勝利
となった。

3連勝、3戦連続クリーンシート、素晴らしい結果。
この結果を受けて、奈良クラブはJ3リーグで現在2位となっている。

試合ハイライト(公式)

奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト動画

試合展開

この試合、前半は鳥取のペースで試合が進むことが多かった。
奈良のビルドアップに狙いを持ってプレスに来ていた。

SBにボールが出た時、2トップは縦の関係にシフトして
片方が堀内選手を、もう片方が近い側のCBのパスコースを切る動きを取る。
また、堀内選手もしくは可児選手が下り目でCBからボールを受けた時
アンカーからCBに戻すパスを、逆サイドのSHがかなり積極的に前に出て狙う。
ディフェンシブサードでの奈良のビルドアップを刈り取る狙いが見える守備だった。

一方奈良クラブはビルドが引っかかるのであればと、システムを可変して、
前半堀内選手と可児選手の2ボランチのようなシステムをとっていた。
ミドルサードからアタッキングサードに入った後は、
奈良クラブが自分たちのパスサッカーを展開し、幸先よく前半17分に先制点を取る。

このシーンの直前から嫁阪選手と浅川選手のポジションが入れ替わっており
スタートは、左:嫁阪選手、右:浅川選手だったが
得点シーン直前から、左:浅川選手、右:嫁阪選手、となっていた。

奈良クラブにとって浅川選手はターゲットとなる選手なので
どの向きにクロスが上がってくるかが大きく変わる。
今回の起点となったのは、寺村選手からのクロスで
寺村選手が右SB、浅川選手が左WGに入ると、角度がつくためクロスを上げやすくなる。
得点シーンの詳細は後述したい。

得点を決めてからは、一進一退の展開で進むが両者得点決めれず、前半終了。

後半開始から、山本選手に変えて片岡選手、堀内選手に変えて中島選手。
堀内選手が下がったので、可児選手がアンカーポジション入る形となった。

後半立ち上がりはミスからピンチを招くシーンがあり同点に追いつかれる可能性もあったが
ギリギリでしのいだ直後、浅川選手の2点目が入る。
得点シーンはかなり理想的なゴールだった。詳細は後述する。

2点差となった後すぐに、鳥取の世瀬選手が退場となり、奈良クラブは数的有利となった。
ただ、鳥取も点を取らないといけない状況のため積極的に攻撃を仕掛けてきた。

ミドルレンジからの弾丸シュートをGK岡田選手がビッグセーブしたり
交代で入った寺島選手の体を張ったシュートブロックだったり
他にもピンチのシーンはあったが、ゴールを割らせない気持ちの入ったプレーが見られて
そういった積み重ねが確実にクリーンシートに繋がった。
この日の岡田選手はセービングがすごく安定していてすごく心強かった。

この試合の終盤に都並選手が右SBに投入され、寺村選手が右WGの位置に入った。
以前、加藤選手が左SBで、寺島選手が左WGに入ったこともあり、
奈良クラブは1人の選手を積極的に複数ポジションで起用している印象がある。

なお、都並選手投入で浅川選手がCFの位置に入った後はこれまた楽しそうにプレーしていた。
後半ATに入ってるにもかかわらず、全力で前線へプレスをかけるシーンなど無尽蔵の体力を見せていた。
また、93分のシーンで右サイドで奈良クラブがボールを持ったシーンで
相手CBの背後で手で裏にボールを要求するジェスチャーをしていてFWっぽさを感じた。

奈良クラブ得点シーン

では、この試合のゴールを振り返っていく。

1点目:浅川選手

前半17分浅川選手のゴールシーン

  • [奈良] 左サイド大外の浅川選手へ、寺村選手からアーリークロス
    • このシーンは浅川選手と嫁阪選手のポジションが入れ替わった直後
  • [鳥取] 田中選手がボールをカット
  • [奈良] 浅川選手がすぐに切り替えてプレスに行く
  • [鳥取] 澤上選手への縦パスは鈴木選手が狙っていてインターセプト
    • 奈良クラブのCB2人は、相手CFへの縦パスを常に狙っていて、迷いなく前に出る。
    • このシーンもその狙いがしっかりと体現できていてインターセプトに繋がった。
  • [奈良] 鈴木選手から山本選手へのヒールパス
    • このパスは是非ハイライトで見てほしい
  • [鳥取] 東條選手が先に触るもボールはおさめられず
  • [奈良] 浅川選手の前にこぼれてきたボールをダイレクトでシュート
    • ご本人の振り返りで、このシーンは「こぼれ球を狙っていた、だからこそダイレクトで打てた」とコメントされていた。

このシーンは奈良クラブの前からの守備意識が生んだゴールだと思う。
浅川選手の切り替えからのプレスや、鈴木選手の相手FWにボールを入れさせない守備、
どちらも素晴らしいプレーでその結晶がゴールという形に繋がった。

2点目:浅川選手

後半8分浅川選手のゴールシーン

  • [奈良] 片岡選手が体を張ってハイボールをおさめる
  • [奈良] 嫁阪選手から前線の酒井選手へロングボール
  • [奈良] 酒井選手がハイボールを胸でトラップしておさめて左サイドへ展開
    • 強風の影響で落下地点が変化したのか相手DFにはじき出されることなく上手くおさめられている。
  • [奈良] 左サイドを駆け上がった片岡選手がフリーで受ける
    • スタート位置は片岡選手が田中選手より後ろだが、このシーンは走り勝っている。
    • また中央では中島選手がスプリントして東條選手に走り勝っている。
  • [奈良] ゴール前で浅川選手が相手DFと駆け引き。中央に入る動きを見せてからファーに走り込む
  • [奈良] 片岡選手から完璧すぎるクロスに浅川選手があわせてゴール

このシーンは片岡選手のクロスの質も、浅川選手のミートの上手さも光っているが
個人的には片岡選手と中島選手が相手選手に走り勝っている部分に注目したい。
後半頭から入った2人がフレッシュだからというのもあるが、
局面局面で自分のマッチアップする選手に勝つことが全体としてチームの勝利に繋がると思う。

印象に残った選手:浅川選手

この試合は、なんといっても2ゴールを決めた浅川選手。

前節のいわて戦でシュート0本に終わったことで
本人も今節はゴールを決めると意気込んでいたが
有言実行の男。さすがです。

今シーズン初の複数得点で、
得点ランキングも一気に同率1位となっている。

浅川選手は動き出しもさることながら
シュートの技術が圧倒的に高い。

1点目のインサイドのミートで左下隅を狙うシュートも
2点目のスピードのあるクロスボールを確実に合わせてのシュートも
決め切る能力が抜群に高い。

8試合中5試合で6ゴール。
奈良クラブの頼もしすぎるストライカーは今年もゴール量産してくれている。

まとめ

奈良クラブのJ3第八節、ガイナーレ鳥取との試合について振り返りを行った。
3連勝を達成し、ついにチームは2位(自動昇格圏内)に入った。

今節から天皇杯も含めて3連戦となるため
しっかりとリカバリして次のホーム宮崎戦、天皇杯の飛鳥FC戦、どちらも勝利を!

バモス!奈良クラブ!

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つとむをつむ
奈良生まれ奈良育ちで県外就職した元奈良県民 奈良でサッカーをしていた当時 奈良にJリーグチームが出来るなんて思ってもいなかった 県外に出てしまったが 奈良県初のJリーグチーム「奈良クラブ」を応援したい そんな思いで外からでもわかる奈良クラブと奈良の魅力を発信するブログを始めて今に至る。