【流れは自分たちで持ってくるもの】奈良クラブ V.S. カターレ富山(J3リーグ第35節)

第35節 奈良クラブ対カターレ富山 振り返り

流れは自分たちで持ってくる

J3リーグ第35節 2023年11月12日(日)@富山県総合運動公園陸上競技場

富山との一戦は両者一歩も譲らない一進一退の展開。
どちらに転んでもおかしくない試合展開の中、
「流れは自分たちで持ってくる」と言わんばかりの
超絶ゴラッソが生まれた記憶にも残る試合を振り返る。

起きた現象は1つでも、その捉え方は複数存在する。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、お楽しみいただけたら幸いです。

前節の振り返りはこちらから。

J3リーグ第34節「奈良クラブ vs 鹿児島ユナイテッドFC」振り返り

スタメンおよびフォーメーション

第35節 奈良クラブ対カターレ富山 スタメンおよびフォーメーション

奈良クラブ

奈良クラブのスタメンは前節から3人(伊勢選手、山本選手、森田選手)が入れ替わっている。

  • GK:アルナウ (No.31)
  • DF:伊勢 渉 (No.4)、鈴木 大誠 (No.5)、加藤 徹也 (No.11)、生駒 稀生 (No.22)
  • MF:山本 宗太朗 (No.10)、中島 賢星 (No.14)、嫁阪 翔太 (No.39)、森田 凜 (No.41)
  • FW:酒井 達磨 (No.19)、浅川 隼人 (No.29)
  • 交代:寺島 はるひ (No.6)、桑島 良汰 (No.7)、堀内 颯人 (No.8)、西田 恵 (No.16)

奈良クラブの選手たちはこちらの記事で紹介しています。

2023年シーズン勝手に選手紹介

カターレ富山

富山は前節から変更なし。

  • GK:田川 知樹 (No.21)
  • DF:脇本 晃成 (No.2)、大畑 隆也 (No.3)、大山 武蔵 (No.20)、安光 将作 (No.25)
  • MF:末木 裕也 (No.16)、アルトゥール シルバ (No.30)、伊藤 拓巳 (No.32)
  • FW:松岡 大智 (No.8)、マテウス レイリア (No.10)、高橋 駿太 (No.39)
  • 交代:今瀬 淳也 (No.5)、椎名 伸志 (No.22)、大野 耀平 (No.9)、吉平 翼 (No.27)

試合結果

まず初めに、試合結果は

  2-0 の勝利

となった。

試合ハイライト(公式)

奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。

試合展開

要点
  1. 奈良は縦パスの落としから前進
  2. 富山はマテウスがロングボールを収めての2次,3次攻撃
  3. 奈良に流れを引き込む酒井選手のゴラッソ
  4. 嫁阪選手の追加点で試合を有利に進める
  5. 富山は前がかりになってSBが高く押し込む

ポイント① 奈良は縦パスの落としから前進

この日のチームとしての狙いは、
縦パスを入れた後の落としを前向きに受けての前進のようだった。
特に浅川選手が受けて落として展開と言うシーンはかなり多く見られた。

縦パスの落としは、相手選手からするとボールを目で追いかけている間に
自分のマーク対象の選手を見失うためかなり対応するのが嫌だと思う。

これが良い感じにハマっていて、
この日の2点目も浅川選手の落としから酒井選手が抜け出す展開を作っていた。

富山のCBも前に出て迎撃してはいるが
パスの出し手と受け手のタイミングが良いため
プレスがかかり切らずに比較的簡単にポストプレーができていた。

そして、この縦パスのポストプレーからの前進は二段構えになっていて
何度か縦パスを見せることで、縦パスに対して富山のCBがちゃんと対応し始めたところを
今度は嫁阪選手が斜めのランニングでCBの裏を取る。
これが上手くいって2度ほど良いシーンが生まれていた。
ワンチャン嫁阪選手が複数得点決めていたかもしれない。

ポイント② 富山はマテウスがロングボールを収めての2次,3次攻撃

一方で富山は、前線のマテウス選手が強いわ走るわボール収めるわで
特にSB裏へロングボールを引き出す動きが多く見られて、
勝率の高い勝負を挑まれてしまっている感じがあった。

狙いとしては、マテウス選手が収める。そこから高橋選手や、松岡選手を使っての1次攻撃。
マテウス選手が収められずとも、イーブンなボールを高橋選手や松岡選手が拾って2次攻撃。
イーブンなボールを跳ね返されても、ボランチのアルトゥールシルバ選手などが前向きに回収して3次攻撃。
あたりの3段構成になるような印象を持った。

後半からマテウス選手が右サイドへポジションを変えて
大野選手など長身選手が前線に増えたが、
結果としてマテウス選手が最前線にいた時の方が怖さがあったように思う。

ただこれに関しては、後半富山は押し込む展開が続いたことで
ロングボール多用するほど奈良のDFライン裏にスペースが無かったことも影響している。

押し込んでサイドからクロスで中央に長身FWがいる。
かなり現実的な戦術で攻め込まれたので奈良としてはよく守ったと言えるだろう。

ポイント③ 奈良に流れを引き込む酒井選手のゴラッソ

この日の試合は、結果こそ2-0での勝利となっているが
一進一退が続いていた。

そんなどっちに転ぶかわからない試合を奈良に引き寄せたのは酒井選手のゴラッソ。
結果として月間ベストゴールに選ばれた超絶ロングシュートが決まった。

元々富山のGK田川選手は前目なポジショニングをして
DFラインの背後をカバーするし、組み立て時も前に出てビルドアップに参加するタイプ。
クロス対応も上手く飛び出して弾き返すといった積極性のある選手。

それに対して、トランジションの瞬間に即座にゴールを狙ったのが酒井選手。
田川選手にとっては、ボールロスト直後のロングシュートだったので
戻りきることができずにそのままゴールに吸い込まれる形で決まった。

このゴール、シュートを打った酒井選手はもちろんものすごいのだが、
実は酒井選手のシュート後もゴール前に向かって走り続けていた奈良の選手が1人いる。

それが中島選手である。
ゴールシーン、田川選手はボールに触れている。
結果として上手く掻き出せずにゴールに吸い込まれたが、
もしゴールせずゴール前にこぼれた場合、セカンドボールを取れたらビッグチャンスになる。
映像を見ると中島選手と脇本選手の一騎打ちになっていた。

中島選手の抜け目ないランニング流石だった。
皆さんも注目して見て欲しい。

ポイント④ 嫁阪選手の追加点で試合を有利に進める

前半得点を奪った奈良クラブだが、後半も積極的な姿勢は継続していた。
そして前述のように縦パスを浅川選手が受けたところから
前向きに酒井選手にボールが渡ると一気に加速。

サイドを個人で突破しきって、中央へクロス。
ゴール前で嫁阪選手がきっちり合わせて2点目を奪う。
すごく綺麗なゴールになった。

嫁阪選手は酒井選手の顔が上がった時に最初は早めにボールを要求していたが
酒井選手がそのまま持ち上がったことで動き直し、ゴール前に入り込んだ。

酒井選手がサイドで1対1を挑んでサイド深い位置までえぐり
ニアをケアする選手の戻りが甘くなっていたため
ニアを通過してゴール中央で嫁阪選手が合わせられた。

嫁阪選手は今シーズン5ゴール目。
酒井選手はこの日1G1Aと大活躍となった。

ポイント⑤ 富山は前がかりになってSBが高く押し込む

2点のビハインドになった富山はリスク覚悟でSBが高い位置を取り
厚みのある攻撃を展開していた。
さらにFW2枚を投入しクロス攻撃も活発化。

特に目を引いたのは安光選手。
中と外の両方を意識的に切り替えながら攻撃参加していた。
すごく現代的なSBなんだなという印象。

奈良としては多くのピンチがあった中で
中央をしっかりと固めて、ギリギリのところでクリーンシートを達成した。
渾身の勝利だと思う。

順位推移

奈良クラブ 第35節終了時点のチーム順位

今節の勝利で奈良クラブは6位に浮上

順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。

2023年シーズンをデータで見る

まとめ

奈良クラブのJ3第35節、カターレ富山との試合について振り返りを行った。

1位、2位、3位との上位連戦は
1勝1分1敗で、まだ昇格の可能性を残す。

愛媛戦の負けを引きずらず
上位と十分に戦えることを証明した3連戦となった。

次はホームに帰っての相模原戦。
前半戦の逆転負けの借りを返すぞ。

バモス!奈良クラブ!

奈良クラブ2023年シーズン振り返り記事まとめ

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つとむをつむ
奈良生まれ奈良育ちで県外就職した元奈良県民 奈良でサッカーをしていた当時 奈良にJリーグチームが出来るなんて思ってもいなかった 県外に出てしまったが 奈良県初のJリーグチーム「奈良クラブ」を応援したい そんな思いで外からでもわかる奈良クラブと奈良の魅力を発信するブログを始めて今に至る。