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勇敢に戦い、そして敗戦
J3リーグ第33節 2023年10月28日(土)@ロートフィールド奈良
岐阜戦の勝利で弾みをつけて、
第33節から愛媛(1位)、鹿児島(2位)、富山(3位)という
3連戦に突入した奈良クラブ。
独走状態の愛媛をホームに迎えるということで
選手も並々ならぬ意気込みだったと思う。
首位を相手に勇敢に戦い、そして敗戦した一戦を振り返る。
起きた現象は1つでも、その捉え方は複数存在する。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、お楽しみいただけたら幸いです。
前節の振り返りはこちらから。
スタメンおよびフォーメーション
奈良クラブ
奈良クラブのスタメンは前節から2人(アルナウ選手、山本選手)が入れ替わっている。
愛媛FC
愛媛は前節から1人(山口選手)が入れ替わっている。
試合結果
まず初めに、試合結果は
0-3 の敗戦
となった。
【2023明治安田生命J3リーグ第33節】
— 奈良クラブ (@naraclub_info) October 28, 2023
⏰試合終了#奈良クラブ 0-3 #愛媛FC#naraclub #奈良一体 pic.twitter.com/bc8osBWQ9O
試合ハイライト(公式)
奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。
試合展開
- お互いに白熱するデュエル
- 前後半で対極的なシュート本数
- 前半奈良7本、愛媛1本
- 後半奈良1本、愛媛7本
- 合計奈良8本、愛媛8本
- CK12本で得点0
ポイント① お互いに白熱するデュエル
この試合を最も象徴するのはデュエルだと思う。
もちろんスコアは大きく動いているので得点にも注目は集まるが
両チームともに守備でかなり激しくデュエルしていた。
(その反面、両チームともにシーズン通して警告の数が多いのだが)
奈良は首位相手でも勇敢にハイラインで前進守備を行い
縦パスには厳しくプレスに出ていた。
さらに中盤でも森田選手を始めとして強くボールへチャンレンジし
ミドルサードでボールを刈り取っていた。
一方で愛媛は奈良の中央もサイドもことごとく封じ込めていて
奈良はこの日効果的なクロスがほとんど上げられていないし
中央もほとんど弾き返されていた。
奈良の失点数がシーズン通して少ない理由の一つに
両SBの対人守備能力が非常に高いことが挙げられるが
愛媛の両SBはそれ以上に対人守備能力が高いような印象を受けた。
山口選手はJ2東京Vからの新加入選手で、木村選手はJ1横浜FMからのレンタル加入。
J3首位のチームのDFラインはJ2と同レベルで当然屈強。
この日サイドを突破できたのは後半の嫁阪選手の突破のみ?
このレベルを掻い潜ってサイド攻略できるようになれるか
かなり良い勉強になった一戦だと思う。
ポイント② 前後半で対極的なシュート本数
この試合で印象的なデータとして、
シュート本数が前後半で対極的である点が挙げられる。
前半奈良7本、愛媛1本
前半はスコアこそ0-1だが、
シュート数から奈良クラブの攻撃回数は多かったことがわかる。
(逆にいうと、ワンチャンスを決め切られてリードされたとも言える)
失点してからも守備陣がバタつくことはなく
ハイラインは変えずに、ミドルサードでのボール回収に繋げていた。
DFラインや中盤が安定して攻撃機会を増やせていた一方で
シュート7本に相応しい期待値の高い攻撃ができていたのか?は疑問符がつく。
ハイライトで取り上げられているのも
キックオフ直後の酒井選手のロングシュート
そしてミドルゾーンからの小谷選手のシュートの2本。
後半奈良1本、愛媛7本
後半はスコアが0-2
シュート本数と相関のある結果とはなった。
奈良の後半は、ほとんど攻撃チャンスを作り出せず
アルナウ選手からのロングボールが目立つ展開で
屈強な愛媛DFに弾き返されるという苦しい状況であった。
前後半での変更点を鈴木選手が語っているのでここで紹介する。
https://www.jleague.jp/match/j3/2023/102817/live/#player
より確実に前進するために後ろ3枚でのビルドに変更したが
結果として愛媛の前線からのプレスを助長しアルナウ選手のロングボールへと繋がった
とのこと。
愛媛は守備開始位置が高く、奈良のディフェンシブサードからプレスをかけてくる。
守備開始位置はチームの特徴が出る部分だが、
愛媛の前線の選手は献身的に前からプレスをかけ続け
さらにパスコースを限定しながらの2度追い、3度追いができており、素晴らしかった。
こういうチームにもボールを保持し続けて
有効な攻撃ができるようになるためにはどうすれば良いのか。
よりチームとしての成長に期待したいと思う。
ポイント③ CK12本で得点0
最後に、この試合のCKの数について触れたいと思う。
この試合のCKの数は奈良が12本あった。
シーズン通して1試合平均は5本程度なので、12本がいかに多いかわかっていただけると思う。
奈良のセットプレー、特にCKに関していうと
中央でのターゲットは、この日のスタメンでは
鈴木選手、小谷選手、生駒選手、加藤選手、そして山本選手が挙げられる。
今シーズンCKからは山本選手が2得点、前節にも生駒選手が決めており
得点がないわけではないが、決して多いとは言えない。
キッカーも良いボールが蹴れるし、中央に180cmオーバーの選手も多くいるため
もう少しCKからの得点が増えても良いのになと思ってしまう状況である。
奈良クラブはリーグ屈指の堅守で失点数が少ない一方で
得点数は20チームの中位にとどまっている。
仮に3,4試合に1点セットプレーから得点できたとすると
首位を争えるチームになると思うので、そういう面でも成長を期待している。
もちろん、それ以外の面(守備の構築や、流れの中での得点)の方が優先だと思うので
徐々に強くなっていくところを楽しみに待っていたいと思う。
順位推移
今節の勝利で奈良クラブは10位に後退
順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。
まとめ
奈良クラブのJ3第33節、愛媛FCとの試合について振り返りを行った。
首位相手に勇敢にハイラインで戦い、そして力負けで敗戦した試合となった。
ただ、この首位愛媛との差を選手たちが感じ、必ず成長に繋げてくれると信じている。
落ち込んでいても時間は待ってくれない。
愛媛との試合が終わっても、鹿児島、富山との強敵連戦が待ち受けている。
リバウンドメンタリティで次は勝つ!
バモス!奈良クラブ!
奈良クラブの選手たちはこちらの記事で紹介しています。