【目覚めた攻撃力】奈良クラブ V.S. FC岐阜(J3リーグ第32節)

第32節 奈良クラブ対FC岐阜 振り返り

目覚めた攻撃力

J3リーグ第32節 2023年10月22日(日)@岐阜メモリアルセンター長良川競技場

8月の長野戦を最後に複数得点が奪えていなかった奈良クラブ
その間堅守で勝ち点を積み上げてきたがこの日は攻撃が爆発。

遂に目覚めた攻撃力で勝利を掴んだ一戦を振り返りたいと思う。

起きた現象は1つでも、その捉え方は複数存在する。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、お楽しみいただけたら幸いです。

前節の振り返りはこちらから。

J3リーグ第31節「奈良クラブ vs 福島ユナイテッドFC」振り返り

スタメンおよびフォーメーション

第32節 奈良クラブ対FC岐阜 スタメンおよびフォーメーション

奈良クラブ

奈良クラブのスタメンは前節から2人(生駒選手、西田選手)が入れ替わっている。

  • GK:岡田 慎司 (No.15)
  • DF:鈴木 大誠 (No.5)、加藤 徹也 (No.11)、生駒 稀生 (No.22)、小谷 祐喜 (No.23)
  • MF:桑島 良汰 (No.7)、中島 賢星 (No.14)、西田 恵 (No.16)、森田 凜 (No.41)
  • FW:酒井 達磨 (No.19)、浅川 隼人 (No.29)
  • 交代:都並 優太 (No.13)、山本 宗太朗 (No.10)、可児 壮隆 (No.17)、森 俊介 (No.18)、嫁阪 翔太 (No.39)

奈良クラブの選手たちはこちらの記事で紹介しています。

2023年シーズン勝手に選手紹介

FC岐阜

岐阜は前節から変更なし。

  • GK:茂木 秀 (No.1)
  • DF:宇賀神 友弥 (No.3)、生地 慶充 (No.14)、遠藤 元一 (No.39)、川上 竜 (No.40)
  • MF:北 龍磨 (No.6)、村田 透馬 (No.7)、庄司 悦大 (No.10)、浮田 健誠 (No.15)
  • FW:山内 寛史 (No.9)、藤岡 浩介 (No.11)
  • 交代:窪田 稜 (No.8)、松本 歩夢 (No.19)、柏木 陽介 (No.42)、田中 順也 (No.18)、ンドカ チャールス (No.45)

試合結果

まず初めに、試合結果は

  3-1 の勝利

となった。

試合ハイライト(公式)

奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。

試合後インタビュー

この試合のヒーロー生駒選手のインタビュー

試合展開

要点
  1. キックオフ早々の1点目
  2. ショートパスを多用する岐阜に対して前がかりの守備がハマる
  3. デザインされた2点目
  4. 左サイドからのクロス対応に課題あり
  5. 試合を決める3点目

ポイント① キックオフ早々の1点目

立ち上がり奈良ボールでキックオフされ
最初のプレーで岐阜の守備を自陣に引き込んで
流れるようなパス交換からコーナーキックを獲得

キックオフもセットプレーの1つで
デザインされたプレーだったと岐阜の上野監督がコメントされていた。

獲得したコーナーキックから奈良クラブは早々に得点を奪う
小谷選手と生駒選手がニアに走り込み、そこへドンピシャのボール。
生駒選手が逸らしながらのヘディングでネットを揺らした。

生駒選手も中島選手のボールが良かったとコメントしていたが
ニアサイドでのヘディング弾はFC大阪戦の山本選手のゴールを彷彿とさせた。

開始早々のゴールで奈良クラブとしてはかなり良い入りができたのは間違いなく
この試合のこの後の展開に大きく影響を与えたナイスゴールだった。

ポイント② ショートパスを多用する岐阜に対して前がかりの守備がハマる

岐阜は3バック+アンカーの4枚でビルドアップしショートパスを繋ぐスタイルだ。
それに対して奈良の守備は、足元でボールを受ける岐阜の選手に強めにプレスをかけて前を向かせないことを徹底していた。

前半岐阜が苦しんだ理由の一つに、裏を狙うロングボールが出ない、というのがあると思う。
27分のようなロングボール一本がもう少し多ければ、
奈良はラインを下げたり選手個人も前重心が後ろ重心に変わったりするため
ショートパスを受ける時のスペースやプレスのかかり具合が変わってくる。
しかしながら、ショートパスが多用されていたことで
奈良は前がかりに守備することができ、結果としてその守備がハマって岐阜に効果的なビルドアップをさせなかった。

逆に、奈良クラブは7分や11分、後述する2点目の36分も
裏抜けのパスを要求して岐阜のDFラインと駆け引きをしていた。
守備者が後ろ向きに守備をしなければならない裏抜けはかなり嫌なプレーで
これによってDFラインが前に出てきにくくなっていた。

ポイント③ デザインされた2点目

奈良の2点目は年間ベストゴールに入るのではないかと思うほど
綺麗な崩しからの完璧なゴールだった。

ピッチを広く使い、自分たちが使いたいスペースを自分たちで作り出して崩す
これぞ奈良クラブが志向するサッカーだと思う。

  • ゴールキックから鈴木選手、中島選手の2人でパス交換をして
    ファーストディフェンスのラインを突破し、中島選手が前を向いて顔あげる。
  • 浅川選手、西田選手が前へ走ることで相手DFラインをピン留めして
    DFラインの前のスペースを空ける。
  • 作り出したスペースへ右サイドから流れてくる形で
    酒井選手が入ってきて中島選手からのパスを受ける。
  • ここで岐阜の左SB宇賀神選手が酒井選手について来ているため
    奈良にとっての右サイドに広大なスペースが生まれる。
  • 作り出したスペースへ生駒選手が走り込み酒井選手からのパスを受ける。
  • 岐阜のDFは左CB川上選手が釣り出され、右CB遠藤選手はニアを消す動き
  • 生駒選手からGKとDFラインの間へグラウンダーで早いクロスが入り
    ファーサイドでフリーの浅川選手が合わせてゴール

このシーン、ハイライト動画でも最終ラインからのパス交換が残っているので
ぜひフルで見てほしい。

ハーフコートの中で崩したのではなく
フルコートを丸々使って崩したという点から
年間ベストゴールなんじゃないかと思うほどの綺麗なゴールだった。

ポイント④ 左サイドからのクロス対応に課題あり

前半に2回、後半に3回ほど、
岐阜の右サイド、奈良の左サイドからのクロスに合わされるシーンがあった。
結果的にこの中の一つが失点に繋がっているのだが
これは奈良クラブにとっての課題かなと思う。

逆にFWをやってる人からするとものすごく学びが多いプレーで
自分が飛び込みたいスペースを空けておいて
クロスが上がる瞬間に加速して入ってくるお手本のようなプレーだった。
クロスの質も高く、早いクロスなのでGKは出られない。

よく浅川選手が待ち合わせ場所という表現を使っているが
FWが自らのポジショニングでスペースを空けておくところが待ち合わせ場所
クロッサーは空いてるスペースを認識して、その待ち合わせ場所へクロスをあげる。
タイミングは基本的にFW側がクロッサーのキックモーションを見て合わせる。

何かしら手を打たなければ失点するだろうと思わされるほど練度の高い攻撃だった。

ポイント⑤ 試合を決める3点目

岐阜に1点を取り返されて嫌なムードが続く中
試合を決める3点目が生まれた。
(本当は岐阜に1点取り返される前に3点目を奪いたかったところだが)

交代で入った山本選手が前線からのプレスで相手からボールを奪い取り
ゴール前まで持ち上がってラストパス。
酒井選手が落ち着いて決めてゴール。

奈良クラブの選手は、守備の際に全員がボールへアプローチするスタイルで
(その分ファウルもよく貰うのだが)
遅らせたりコースを限定する守備だけじゃなく
山本選手のボールを奪い切る意識があったからこそ生まれた3点目だったと思う。

酒井選手は2戦連発、直近4試合で3ゴールと量産体制に入っている。

順位推移

奈良クラブ 第32節終了時点のチーム順位

今節の勝利で奈良クラブは7位に浮上

順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。

2023年シーズンをデータで見る

まとめ

奈良クラブのJ3第32節、FC岐阜との試合について振り返りを行った。

10人になった相手に失点して試合運びに課題も残したが
8月ぶりの複数得点での勝利
3得点も、セットプレー、自陣から繋いで、ボール奪取からのカウンター、と
色んな方法で奪うことができた。

次節からは1位、2位、3位との連戦が待ち受けている。
今節の勝利で弾みをつけて首位撃破へ

バモス!奈良クラブ!

奈良クラブ2023年シーズン振り返り記事まとめ

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つとむをつむ
奈良生まれ奈良育ちで県外就職した元奈良県民 奈良でサッカーをしていた当時 奈良にJリーグチームが出来るなんて思ってもいなかった 県外に出てしまったが 奈良県初のJリーグチーム「奈良クラブ」を応援したい そんな思いで外からでもわかる奈良クラブと奈良の魅力を発信するブログを始めて今に至る。