目次
はじめに
J3リーグ第14節 2023年6月17日(土)@ニンジニアスタジアム
3試合連続ドローでそろそろ勝利が欲しい奈良クラブ。
今節は3位の愛媛FCとのアウェイでの一戦。
上位対決はどのような試合となったのか振り返る。
あくまで「1個人の感想と考察」という前提で、おたのしみいただけたら幸いです。
スタメンおよびフォーメーション
奈良クラブ
奈良クラブのスタメンは前節から2人(金子選手、片岡選手)が入れ替わっている。
愛媛FC
愛媛は、前節から3名(三原選手、大城選手、曽根田選手)が入れ替わっている。
元日本代表の森脇選手がスタメンで出場。
試合結果
まず初めに、試合結果は
×0-1での敗戦
となった。
【2023明治安田生命J3リーグ第14節】
— 奈良クラブ (@naraclub_info) 2023年6月17日
⏰試合終了
2戦アウェイの地での戦いとなりましたが今節も応援をありがとうございました。次節ホームで必ず勝利を。
引き続き奈良クラブへの応援をよろしくお願いします。#奈良クラブ 0-1 #愛媛FC#naraclub #奈良一体 pic.twitter.com/WLE2U9eUXM
奈良クラブはの順位は5位に後退となった。
試合ハイライト(公式)
奈良クラブ公式がアップロードしているハイライト。
試合展開
前半総括
立ち上がりは、愛媛の守備が印象的だった。
奈良がディフェンシブハーフにいる時は積極的にプレスをかけてくるが
ミドルサードで組み立てている場合は、2トップは奈良のCBへプレッシングを行わず
442ではなく、424、ないし4231のようなブロックを形成。
そして2ボランチは奈良の3トップをマークしない。
つまり中央のトップとボランチの距離が短く、
奈良クラブのDFとアンカーのスペースを無くす狙いに見える。
そうなると、奈良クラブとしては、相手DFとボランチの間のスペースが狙いになる。
プレースキックでも良いし、最前線の3トップへロングボールを送り
セカンドボールが相手DFとボランチの間のスペースに落ちるところを狙うでも良い。
奈良クラブのファーストシュートは31分。
ボールは保持できていたが、シュートまでなかなか辿り着けていなかった。
シュートシーンは左サイド深い位置でボールを保持したところからのクロスで
ダイレクトで浅川選手がシュートを放った。
ミートが上手くてあと少し左だったら、という気持ちになるが
それは流石に欲張りすぎかもしれない。
前半39分
狙い所だった愛媛のDFラインとボランチの間のスペースに
片岡選手が走り込みボールを受けて2タッチでDF裏への浮き球のパス。
浅川選手が裏へ抜け出しシュート。
かなり良い。相手DFを後ろ向きに守備させている。
間違いなく相手DFからすると嫌なプレー。
総じて前半は奈良クラブがボールを握れていて
チャンスシーンも作れてはいたが、
ボール保持率に比べてチャンスシーンは少なかったようにも思う。
後半総括
後半10分ほど、奈良のWGが左右を入れ替えていた。
右に嫁阪選手、左に金子選手。両者利き足と逆サイドになる。
奈良クラブとしては珍しいシステムだ。
奈良クラブは時よりこういったWGの左右入れ替えをしている。
チャンスには繋がらなかったが色々な形を見れるのは楽しい。
後半の右SB寺村選手はビルドアップ時にいつもより内側にポジションを取っていた。
いつも右WGには浅川選手(WGが本職じゃない)が入るので、
浅川選手が中央に入って、寺村選手がSBとWGの中間ポジションを取ることが多い。
そうなると寺村選手は右サイドに張ることが多いが
今節は右WGに金子選手が入っているので、いつもとはポジショニングを変えたのだろう。
後半15分、失点。勿体無い失点。
アルナウ選手のキックがそのまま愛媛に拾われて、ベンダンカン選手に決められた。
ただ、アルナウ選手からのパスは難しい選択が増えてきている印象もある。
GKへのバックパスは最前線へフィードするパターンが最も多い。
相手に奪われても怖くないセーフティな位置へボールを送る。
二番目に多いのは最終ラインでののグラウンダーのパス。
これはインサイドキックでミスが少なく確実に味方選手へ繋げるためセーフティ。
最も少ないのが、中盤への浮き球のパス。
この試合、アルナウ選手は中盤への配球が多かった印象だ。
奪われた時のリスクと、キックの確実性から、避けるGKも多いが
アルナウ選手は確実にこの中盤へのパスを意図的に選択している。
さらなる成長に期待したい。
後半18分、右サイド狭いところを細かく繋いでスルスルと抜け出して
寺村選手が相手のGKの位置を見て遠目からシュートを狙う。
面白い選択だったし、枠に飛んでいたらワンチャンあったかもしれない。
後半25分、鈴木選手、西田選手、桑島選手、と繋いで浅川選手がシュート。
相手を押し込んでいる状態だったので、
ファーサイドへのクロスからの折り返しはかなり良い選択。
折り返しからボレーシュートで、もう少しミート位置が低ければ枠に飛んでいたかなと思う。
相手選手が頭でクリアを狙っていたので、
先に触る意味でも早く振り抜きたかったと言う気持ちはすごくわかる。
後半28分、ビッグチャンス。
加藤選手、堀内選手、浅川選手、と繋いで、西田選手がGKと1対1のシーン。
わずかにゴール右に外れてしまった。
加藤選手からのパスをダイレクトで浅川選手に繋いだ堀内選手のパスが面白かった。
モーションがほとんどなく、どこにパスが出るか全く読めない。
直前に考えていたことをキャンセルして別の選択をしたのか?
それとも意図的にあのモーションでパスを出したのか?
いずれにしても高い技術力のなせる技だ。
このシーンも前半のビッグチャンスと同じく相手DFに後ろ向きに守備をさせていた。
こういうチャンスを多く作れればおのずとゴールと言う結果が出てくるだろう。
西田選手、次は決めて宮崎戦のような喜び爆発期待しています。
その後、最終ラインの伊勢選手と可児選手が交代して
堀内選手が最終ラインに入るという今シーズン初めてのシステムが見れた。
初システムでも堀内選手は適応力の高さと落ち着いたプレーを見せていた。
試合終了。
試合を通じて奈良クラブが試合を支配していたし、
ゴール期待値もおそらく奈良クラブの方が高いだろう。
しかし結果は0-1。サッカーではよくあること。
愛媛FCはJ2経験チームだ。しかも今節は上位対決である。
そんな試合で、ボールを支配し、何度もゴールに迫り、相手にほぼチャンスを作らせなかった。
積み上げてきていることは間違っていない。奈良クラブは確実に強い。
印象に残った選手:山本選手、鈴木選手
山本選手
前線からの守備、前線でのロングボールのターゲット、縦パスを引き出す動き。
そういったプレーが山本選手の魅力だが
ここ最近の山本選手は、そこに加えてパスのセンスが素晴らしい。
「このスペースに来い」「ここが相手にとって一番嫌なところだ」というのが
伝わってくるようなパスを配球している。
そういった良いパスを出す時は、だいたい2タッチ以下で出していて、
良い準備ができているな、余裕ができてきたんだろうな、とJ3での成長を感じる。
今節も嫁阪選手への良いパスを通していた。
まだ今シーズンのアシストは1回だけだが、
今のプレーを続けていけば確実に増えて行くと思う。
ワクワクするようなプレーをこれからも見せて欲しい。
鈴木選手
この日は古巣対決というのもあって、素晴らしいパフォーマンスを発揮。
守備はもちろんのこと、この日は攻撃面で輝いていた。
後半4分のカウンターシーンでは、左サイド深い位置まで駆け上がっていて
なぜそこにいる!?となるような場面もあった。
また、最終盤の後半ATには、左サイドのクロスから頭で合わせた惜しいシーンもあった。
最終盤は疲労からパス出す際に軸足の踏ん張りがきかず、滑りながらパスを出していたにも関わらず、最後の最後まで体力と気力を振り絞って攻撃参加している姿に感動した。
さらに、この日は鈴木選手から相手のDFラインとボランチの間のスペースに良いパスが届いていた。特に片岡選手がボールを引き出し、そこにピンポイントで浮き玉のパスを鈴木選手が出すと言うシーンが見られた。前半のビッグチャンスもこの2人がきっかけになっている。
これからも攻撃面でいいパスをどんどん届けて欲しい。
順位推移
今節敗戦したことで順位は5位に後退。
順位は1つだけだが、6位以降と勝ち点がかなり詰まっている。
次勝ち点が積み上げられなければ、一気に順位を落ちかねない。
ここが踏ん張りどころだ。
順位等のデータについてはこちらの記事でまとめているので、お時間あればぜひ。
まとめ
奈良クラブのJ3第14節、愛媛FCとの試合について振り返りを行った。
上位対決、確実に実力のある愛媛FC相手に
良い試合ができていた。下を向く必要はない。
次節はホームに帰ってきてのアスルクロラ沼津戦。
次こそ勝利を!
バモス!奈良クラブ!
コメントを残す